バーンスタインの言葉

3月11日の夜、「クラシック音楽館」を見ていた。

<コンサート・プラス>のコーナーでパーヴォ・ヤルヴィ広上淳一が若い頃に師事したレナード・バーンスタインの思い出を語る。
 
 
若き日のパーヴォ・ヤルヴィ(ヤルヴィ「その頃はまだ髪がふさふさしてたんだけどね」広上「僕も」(笑))がバーンスタインのレッスンを受けていたとき、バーンスタインの取り巻きスタッフが「レニー、そろそろ出ないと次のスケジュールに間に合わないよ」と急かしてきた。
バーンスタインは「もうすぐ、終わるから」と言いいながらも、ふたたびヤルヴィの指導を続ける。
しばらく経ってまたスタッフが「レニー、いいかげん終わらせないと」というが、バーンスタインは「わかった、わかった」と言いながらまだレッスンを続ける。
しばらくしてまたスタッフが「レニー、教えるのを止めるんだ」と急かす。
するとバーンスタインが、スタッフにこう言い放った。
 
「教えているんじゃない。彼の人生を変えているんだ!」
 
いやいや、なんとカッコいいことでしょう。
若者を育てるという強烈な使命感と、自らの影響力を自覚し切った矜持がないと言えないセリフだ。
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