ヒーハー!合唱 指揮を考える

9月8日の東京混声合唱団特別演奏会におけるアンコール曲「赤とんぼ」に田中信昭先生が登場!御年92歳!

【田中信昭指揮】赤とんぼ【東混オールスターズ】

なんと温かい「赤とんぼ」。

指揮者「田中信昭」と団員さんの強い信頼感によって生み出された音楽は、閉塞感に打ちひしがれる今の世界に降る慈雨のようです。

 

ずいぶん昔に「しんしょう先生」の指揮で2回ほど歌わせていただいたことがあります。

追分節考」と「嫁ぐ娘に」。いやあ、怖かった( ;∀;)

練習中一人ずつ歌わされて、「声も音もリズムもいい。しかし周りと違う。」と言われ、大いに悩んだこともありました・・・。

「足の裏から地球のエネルギーを感じて声にするんだ!」

・・・ものすごいことをいう先生だなあと思いました。

言葉も雄弁でしたが、指揮はさらに雄弁。私たちはまるで踊らされるかのように先生の音楽の流れの中に否応なく引きずりこまれてしまったのです。

若い時期に、たとえわずかでも「しんしょう体験」ができたことは私にとって大いなる財産になったと信じています。

5年前に水戸芸術館ホールでの「間宮芳生の肖像」と冠された演奏会に行き、その中で間宮先生としんしょう先生の対談というとんでもない夢のようなコーナーがありました。

当時お二人ともすでに80代後半であられたでしょうが、次々と語られる作品のあれやこれやを聞きながら「この人たち、バケモノだ」と心底感じ入りました。

 

 

 さてこちらは打って変わって・・・

かなりの再生回数になっていますので見た方も多いかも。

とにかくこの指揮者さん(MK君?)の指揮ぶりはなんと言っていいのやら。 


【神回】最優秀 指揮者賞 受賞作品 中島みゆき「糸」 高校生合唱コンクール

川崎市立幸(さいわい)高等学校さんの校内合唱コンクールでの出来事のようですね。

動画に寄せられた多くのコメントの中にもあるように、歌ってる子たちが最後まで笑わずについていってるのが驚きです('◇')ゞ

それと指揮者がこれだけ動いているのに歌い手側が微動だにしないのも驚き('◇')ゞ

ということは練習の時も同じようなテンションでやってたということでしょう。

(練習風景の動画も上がってます)

www.youtube.com

 

みんなに歌ってもらうこと、それも歌うために集まる部活ではないメンバーに歌わせることはとても大変なことだと思う。

ポテンシャル充分な歌い手ばかりの合唱団ならば指揮者には合唱として「程よい加減」にするためにそのポテンシャルをコントロールすることが求められるけれど、ポテンシャルの不足した合唱団の場合はまずそのポテンシャルを最大限に引き出すことが求められるでしょう。

合唱から発せられる感動をCDで音源だけを聴いて得られるならばその演奏はとてつもなく素晴らしいものに違いないけれど、本来ならば同じ時の流れの中で演奏者を見ながらその空間を共有することでこそ至福の歓びが得られるのだと思います。

 幸高校さんの映像を見ると観客がその場にいて同じ空間を共有した歓びを感じるのです。

 

つい最近、兵庫県の中学校で行われた合唱コンクールのあとにクラスターが発生した、との報道がありました。合唱コンクールをしたことによって拡大したという確証はないはずですが、「合唱コンクールと関連か?」という見出しが出ると実に悲しい。

11月20日付けで全日本合唱連盟は政府が発表した「第15回新型コロナウィルス感染症対策分科会」の資料に対して「要望書」を提出しました。

https://jcanet.or.jp/corona-youbou.pdf

感染リスクの高い活動として合唱だけがクローズアップされたこれらの指摘は、合唱に対する偏見や誤解を招きかねず、全日本合唱連盟といたしましては到底看過することはできません。そのため、11月20日付けで分科会長および推進室長宛に「要望書」を提出いたしました。ここに同要望書を公表いたします。

 

肩身の狭い思いで活動を続ける僕たちですが、校内合唱コンクールなどがこんなにもおおらかに開催できる日が早く戻ることを祈るばかりです。楽しい指揮者さんが現れたりしますしね('◇')ゞ