2020年の映画を振りかえってみたりする~その⑥

麒麟も終わり、急がないと2020年がどんどん遠くなってしまう・・・。

 

🎬「2分の1の魔法」87点(A)

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ディズニー&ピクサーの最強コンビによる長編CGアニメ。

ほっこりしました(#^^#)。

兄弟の関係性や親子の再会というメインテーマは古典的ながら状況設定やキャラ造りがものすごく上手なので、昔夢中で読んだ冒険小説のように惹き込まれる。
自分の父親や兄弟や子供たちのこともアタマをよぎったために少々通常でないテンションで観たような気もします。若い時に観たらずいぶん違う印象を受けるのかもね。

ディズニー&ピクサー作品には少なからず教訓的なものが含まれますが、本作はあまり深く考えずとも十分に楽しめる作品と感じたのはやはり「手練れ」の職人技か。
ラスト、お兄ちゃんが1分の1の父親と再会するシーンにはうるるでしたね( ;∀;)。

実をいうとそれほど期待せず観たのですが、その分ずいぶん得した気になりました。

 

🎬「パヴァロッティ 太陽のテノール」59点(C)

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え~っと。

波乱万丈のマリア・カラスとは違い、伝記映画には早すぎたかなという感じです(*_*;

若い頃の映像が見れた(聴けた)のは良かったかな、くらい。

人としてどうのこうのより、パヴァロッティはその声だけで充分なんで。

 

🎬「マーティン・エデン」83点(B上)

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アメリカの作家ジャック・ロンドンの自伝的小説「マーティン・イーデン」の舞台をイタリア・ナポリに置き換えての映画化ということで、アメリカ?ロンドン?ナポリ?とちょっと分かりにくい1本(*_*;。

 

監督のピエトロ・マルチェッロさんにインタビューした記事がありました。

Q:原作の舞台アメリカからイタリアに置き換えて映画化した理由を教えてください。

 

ピエトロ:私はイタリア人でアメリカのことをよく知らなかった。というのが大きな理由ですね。マーティン・エデンは、文化を通して世界に復讐していく人間ですが、それはある種のメタファーなんです。原作の「マーティン・エデン」は普遍的な物語なので、ある意味どこでも撮ることが出来るんです。多分東京でも撮れますよ。

cinemore.jp

 

主演のルカ・マルネッリを初めて認識しました。色気、荒み具合、這い上がろうと野心に溢れた表情がとても良くて、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロン、あるいはジェームス・ディーンを彷彿とさせます。

舞台をナポリとしながら明るい陽光の雰囲気はなく全体的に暗めの色調で終始。

マーティン・エデン=ジャック・ロンドンという作家の多面性が、ときおり時間軸を行ったり来たりすることと舞台劇のような場面転換によって不安定な揺らぎとなって描かれます。

心の底から焦がれ、憧れたものを手に入れることができたとしても心や精神の空白を埋めることは難しい。40歳で自殺したジャック・ロンドン。凡人には理解しがたい、天才ならでは?の生きにくさがあるのでしょう。