話題のスピルバーグの自伝的映画「フェイブルマンズ」。
切ないけれど、輝きに満ちた映画でした。
「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」など、世界中で愛される映画の数々を世に送り出してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品。
フィルムに残される虚実を若くして知りえた(望んだことではなかったかもしれないけど)からこそ現在のスピルバーグが存在するのでしょう。
タイトルが「フェイブルマンズ」なのはこの映画が主人公サミー・フェイブルマンの家族の物語であることを意味しています。
このシーンはムーディ・ブルースの「童夢」のようで美しい。
「ウエスト・サイド・ストーリー」以来のスピルバーグ作品、もう過去の多くの作品とはまったく毛色が違うものを自由に作れることを楽しんでいるようにも思えます。
同じ1946年生まれのデヴィッド・リンチが俳優として登場し、いい味出してます。
全体としては重い印象の中でラスト・シーンはクスっと笑えました。サミー・フェイブルマン青年の明るい未来を示唆するように。
この記事を書いている途中で第95回アカデミー賞で「エブリシング・エブリウエア・オール・アット・ワンス」が総なめという結果が飛び込んできました。それもアリかな。