2020年の映画を振りかえってみたりする~その②

つづき。

🎬「1917 命をかけた伝令」94点(A)

映画「 1917 命をかけた伝令 」ネタバレあり解説、全編ワンカットで撮影された驚愕の臨場感を体感せよ | ジョンシネマ


2020年に観た中で最高の1本。第一次世界大戦下、ドイツ軍と敵対する英国軍兵士の決死の1日を描きます。ほとんどワンカットで撮影されたような戦場の映像は臨場感に満ちて2時間緊張しっぱなし。見終わったときすごく肩がこっていたのを覚えています。
ちらちらっとコリン・ファースベネディクト・カンバーバッチなどのビッグネームも出てますが、主役の青年たちはほぼ無名なのでさらにリアリティがあります。
映像は実に美しく、音楽がまたいい。ラスト近く、朝もやの森の中で兵士たちが歌うシーンは鳥肌もの(*_*; サム・メンデス監督のまぎれもない代表作でしょう。
個人的にはアカデミー作品賞!

 

🎬「初恋」90点(A)

映画『初恋(2020)』感想(ネタバレ)…闇鍋系ヤクザ映画である : シネマンドレイク:映画感想&レビュー


三池崇史監督初のラブストーリーということですが「初恋」というタイトルのハードボイルド!とてもいい映画だったと思いました。主演の窪田正孝演じる不器用だがまっすぐな性格のボクサー、父親からの性虐待のトラウマに苦しむ少女(小西桜子)、完全にクズな刑事(大森南朋)、時代遅れの任侠やくざ(内野聖陽)、情夫(三浦貴大)を殺されて復讐に燃える女(ベッキー)、要領よく立ち回って大金を得ようとするチンピラやくざ(染谷将太)という豪華キャストが全力で右往左往立ち回るジェットコースタームービーでもあります。
公開時に話題になりましたが、バールのようなものを持って走り回る血みどろのベッキーが鬼気迫ってすごい。日本刀で立ち回る内野聖陽の殺陣は「スローな武士にしてくれ」でも見れたように美しい。窪田君が持つ独特の漂泊感や孤独感が主人公にとてもマッチして、朝ドラ「エール」での古山君とはひと味違います。

ストーリー展開の切れ味の鋭さやキャストの熱演、映画全体の熱量。2020年を代表する邦画のひとつだと思います。

 

🎬「ジュディ 虹の彼方に」91点(A)

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主演のレネー・ゼルウィガーがアカデミー主演女優賞を獲得したこともあり、かなりの話題作でした。
やっぱりアメリカ人はジュディ・ガーランドが大好きなんだなあ、というのが見終わったときの感想。もしくはジュディが全盛だった時代が大好きなのかも。といってもその時代って映画「オズの魔法使い」が1939年公開ですから第二次世界大戦が開戦したころなのですが。ご存じ主題歌「Over the Rainbow(虹の彼方に)」は映画音楽史に燦然と輝く名曲のひとつ。
17歳で「オズの魔法使い」で主役ドロシーを務め一躍大スターとなったのち、多くの作品で名演技を残しておきながらも薬物依存と神経症に陥り、私生活は破綻していたといってもいい。それでも「ジュディ・ガーランド」という大名代に世間は期待するし、本人も大スターとしての強烈な矜持がある。そんなジュディの激しさと弱さをレネー・ゼルウィガーが(最初はゼルウィガーと思えないほど顔が違う!)見事に演じていています。

大スターには栄光と挫折を描く映画は数多いですが、「ジュディ」は冷静(冷酷?)に描いているようでいてアメリカ映画人のジュディ・ガーランドに対する愛情と敬意を感じさせる、風格のある映画と思いました。

 

つづく。