レディ・バード

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M:Iとかジュラシックとかを作ってくれていればいいのに、こんな素敵な映画も作るからアメリカの映画界は奥深い。

個人的には去年のベストワンだった「マンチェスター・バイ・ザ・シー」がなぜかよみがえってきた。自分を上手くコントロールできずに孤独感をつのらせながらも、わずかな隙間の中に居場所を見つけて周囲との関係性を再構築していくテーマは「レディ・バード」のそれと重なる。

主人公クリスティンは、母親との確執や将来への茫漠とした不安や都会への根拠のない憧憬や男性経験に対する妄想等々がないまぜとなって、思春期ならではの不安定さがふたつに割ったレモンから溢れる果汁のように溢れ出て、実に愛おしい。

厳然と存在する格差社会のことや、性的マイノリティに対する不理解など、ひと昔前のアメリカの世情もさりげなく描かれていて、それもまた「なるほど~」と思わせる。

ラストは少しだけ成長したクリスティンと母親とのやりとりにぐっと胸を打たれるのだが、それはネタバレになるのでこの辺で。

 

観ようかどうか少し迷ったのだが、間違いなく観てよかった(^^♪

 


映画『レディ・バード』予告