40年以上前、高校時代。
僕の友人に馬場くんという男がいて、彼は当初僕のギターの先生だった。
サイモン&ガーファンクルを二人でコピーして、放課後、あたりかまわず弾き歌いまくっていた。特にトイレ前の廊下は響きが良くて気持ちよかった。
「ボクサー」のサビの「ライラライ」のときの「ドーン!」の音を出したくて教室の壁を思い切り叩いていたら通りかかった先生からこっぴどく怒られたりもした。
そんな馬場くんに彼女が出来た。
彼女=ハルコちゃんは一つ年下だったが英語が得意。フォークロックに明け暮れていた僕らよりも音楽の好みが大人びていて、当時人気が出始めていたQueenの大ファン。
馬場くんはすっかり影響されてS&Gを捨て、クイーンにドはまった。
馬場くんとハルコちゃんがあまりにもクイーンを推すので、しかたなく僕もクイーンを聴くようになったのだが、僕もハマった。
そんなわけで、その年の文化祭での南高コーラス部のステージは映画「卒業」のシチュエーションにクイーンの曲がかぶさるという奇妙なものとなったのだが、それはそれで楽しかった。
あれから40数年、映画「ボヘミアンラプソディ」が絶好調で、FMでは毎日のように「ボヘミアンラプソディ」が流れるのは喜ばしいことなのだが、実をいうと「今さら~?」という感慨を少しだけ持ってしまっている。
これは傑作だ。