原題 Dear Evan Hansen は手紙の書出しなので日本語でカナで書いちゃうとちょっと違和感ありますね。
2016年から舞台で上演されたものの映画化で、主演のエヴァン役も舞台で演じたベン・プラットだそう。
物語のテーマはある意味普遍的なものなのですが、そこにコンテンポラリーな要素(SNS)が介在することによって現代を生きる我々にとって非常に切実な現象として顕在化してしまう恐ろしさ。
しかし、ミュージカル作品でもあることによって、歌声やメロディに想いが乗ることによって、現実の恐ろしさを緩和していると言えるでしょう。
主たる登場人物は皆歌う。その歌声もメロディも全部優しいのだけれども、誰もが孤独感を持っている世界の中で僕たちはとても危ういバランスを必死で保ちながら生きているという現実を再認識させられる、なかなかにシビアなミュージカル映画なのでした。