大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も残すところ6回かな。
史実と史実のはざまを巧みに埋めていく三谷さんの脚本の見事さに毎回うならされながら見ています。
個人的に、日本史の中で鎌倉時代というのはあまり興味を抱いてなかった世界でした。大昔に「日蓮と蒙古大襲来」を見たことがあって(1958年制作なので僕は後年テレビで見たのかも。)、日蓮が幕府に捕らえられて首を刎ねられる寸前、執行武者の振りかざした刀に雷が落ちて処刑を免れるというシーンを克明に覚えています。
それってモーゼの「十戒」と同じくらい神話的なシーンで、鎌倉時代ってある意味神秘に満ちたイメージをもって過ごしてきました。
ドラマではこれから描かれるであろう「承久の乱」の翌年に日蓮は生まれているのでその時の執権はもちろん義時ではないし、蒙古大襲来(元寇)ももう少し先の話ではあります。
今回、「鎌倉殿」は台詞の言い回しはほぼ現代劇のものだし、登場人物の考え方も同様。ここまで吹っ切れるところが本当にすばらしいと思います。
物語も面白いけれど、音楽がまたすばらしい。
ここへきて畠山氏、和田氏の粛清が描かれていますが、そのシーンで流れる「モツレク」もどき(「Dies Irae」や「Lacrimosa」変奏曲)が見事にはまる。
こないだは泰時が伊豆の時政を訪ねるシーンではドヴォルザーク「新世界第2楽章」もどき。失脚して義時によって伊豆に蟄居させられた晩年の時政の安寧がBGMによって更に祝福されるかのようでした。
これから先述の「承久の乱」へとドラマは向かい、主人公の義時も去ることになりますが、その時にどんなBGMが流れるのか今から楽しみであります。