映画館で2時間強を過ごすことの歓びをあらためて実感しました。
4章に分かれた構成のうち、青年期の北斎が悩み、焦りながら至高の高みを目指すひたむきさを柳楽君が前3章を演じ、晩年期の病魔に襲われたのちも漂泊の旅に出て代表作「富嶽三十六景」を生み出した北斎の執念、いや情念を田中泯さんが最後の4章で演じます。
前半の阿部寛さんや玉木宏さん、後半の永山瑛太さんと北斎以外のキャスティングも一見豪華に思えますがオールスターキャストのような派手さは決してなく、終始重厚な緊張感があり、それを感じるのはやはり2時間映画館のシートに座って観るからこそ。
ラスト、若き北斎(柳楽くん)と老いた北斎(田中さん)が並んで描くシーンは秀逸!
これは是非観ておいた方がよい映画だと思います。