テスラ

時代を100年先取りした発明家・テスラの半生を描く。映画『テスラ エジソンが恐れた天才』レビュー | ギズモード・ジャパン

電気自動車のテスラ社とは全く関係がない(社名の由来にはなってるらしい)科学者ニコラ・テスラの物語。

この映画の評価が分かれるのはわかる気もするけれど、僕にはとても面白かったし、とてもいい映画だと思いました。

ドキュメンタリー的伝記物語として描くならばテスラが思い描いた科学技術の発想を詳しく説明する部分が増え、そうすると相当な尺が必要になる。それよりも科学知識に乏しい私なぞが「地球規模の無線送電システム」の説明を聞いてもたぶん理解不能

ふと1972年にNHKで放送された「レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯」を思い出しました。イタリア放送協会が制作したこの緻密で豪華なドキュメンタリは272分。NHKでは5回に分けて放送したようです。私は当時中学生でしたが、熱心に見た記憶があります。

何を言いたいかというとそもそも歴史に名を遺す人物をすべて描こうとすればそれなりの長尺ドキュメンタリでなければ無理なのであり、「その人が何者であったか」を100分で描くのが映画なのだと。

映画「テスラ」はニコラ・テスラという稀代の天才がどういう人間であったかを描くのみで充分なのです。

登場人物が画面のこちら側に向かって話しかける手法は時々あるし、強迫観念に苛まれていたテスラが突然「ルール・ザ・ワールド」を歌いだすこともあるでしょう(イントロが流れた瞬間爆笑しましたが。しかもオクターヴ下で歌うイーサン・ホーク)。敵対するエジソンがおもむろにスマホを取り出すのも映画だから描けるし、それはテスラが計画した「世界システム」の究極の姿としてのオマージュかもしれないとも思いました。

観る前はムズカシイかもと思ってましたが、映画としてのいろんな仕掛けがあって楽しめました('◇')ゞ

 

と下書きのまま放置している間にセントラル劇場での上映は終わってしまいました・・・。