不世出のポップス・キング、エルヴィス・プレスリーの伝記映画。
これは・・・いい!すごくいい!
「レイ(レオ・チャールズ)」「ゴッホ」「マリア・カラス」「パヴァロッティ」「エジソンズ・ゲーム」「テスラ」「シェイクスピア」「ロケット・マン(エルトン・ジョン)」「ボヘミアン・ラプソディ(フレディ・マーキュリー)」「ジュディ(ジュディ・ガーランド)」「ビリー・ホリディ」等々、伝記ものの映画が最近とみに目立つようになりました。(オードリ・ヘプバーンは見逃した(*_*;)
良かったものもそうでないものもありました。
スーパースターの陽の当たる面と陰の面は、ある程度時を経て、さまざまな証言が出揃った上でその人の人生を知りたい。
その意味で「アラビアのロレンス」はやはり伝記映画の最高峰と僕は思う。
エルヴィス・プレスリーが亡くなって45年。正直僕はエルヴィスの全盛期を知りません。映画の中でも描かれる「エルビス・オン・ステージ」が1970年で、その頃は全盛を過ぎたエルビスの復活と捉えてました。
「エド・サリバン・ショー」にエルビスが登場したのが1956年、ビートルズが同番組に登場したのが1964年といいますから、そんなに離れているわけでもない。
ずいぶん昔のスターと思っていたのは僕の認識違いで、この映画によってエルビスは随分と身近になりました。
主演のオースティン・バトラーはまだ30歳。映画の中で若いエルヴィス時代のものはこの人が実際に歌っているらしいというのに驚く。
バタ臭くて破天荒なイメージとはギャップのある真人間?エルヴィスの人生を陰影を纏って演じ切ります。
そして何といってもトム・ハンクス。
ほんとにこれほど性悪な人間がいるのかと思わせる圧倒的な演技。
味方だと心強い人ほど敵に回したくないね。ラッセル・クロウとかモーガン・フリーマンとかね。
実に美しくゴージャスなオープニングから始まって、寓話的でテンポのいい場面転換。
作り手のただならぬ才能を感じつつ、あっという間の159分間でした。
観ておいた方がぜったいいいと思いますよ~。