特殊能力を持つ団員たちが集うサーカス団とナチス・ドイツの戦いを描いた異能力バトルアクション。
かつて(1960年代)セルジオ・レオーネ監督とクリント・イーストウッドが「荒野の用心棒」というイタリア製西部劇(矛盾してるけど)を作り、マカロニ・ウエスタンという言葉が生まれた。その後、そのジャンルはジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロといったスターを輩出し、作曲家エンニオ・モリコーネもまた(本意ではなかったにせよ)このジャンルから映画音楽の大家になった。
本国アメリカの西部劇は白人至上主義(正義である騎兵隊が野蛮な現住インディアンを駆逐するとか)を具現化し、アメリカ人がスカッとするものを提供し受け入れられていた。代表的スターのジョン・ウエインは西部劇のヒーローであり、戦勝国アメリカが作る戦争映画のヒーローでもあった。
もちろん、ゲーリー・クーパー主演の「真昼の決闘」(1952)やアラン・ラッドの「シェーン」(1953)のような名作も生まれたが、対インディアンという構図ではないにしろ基本的に勧善懲悪ものと言える。
それに対し、マカロニ・ウエスタンは主人公に陰がある。正義感はあるが、単純に「善人」ではなく、ならず者との対決にしても言葉は悪いが「めくそはなくそ」だ。
「フリークスアウト」はそんなマカロニ・ウエスタンの持つ「陰」を踏襲したイタリア版アベンジャーズと感じた(何となくですけど)。
「サスペリア」を生んだイタリア映画らしく(正確にはイタリア・ベルギー合作ですけど)、グロかったりエロかったりというシーンが無くはないですが、これぞB級映画!と楽しめる快作。
時代を反映して、やはり一番強いのは女性です(^-^;