7月31日。アラン・パーカー監督が亡くなった。76歳。
報道の見出しでは「『ミッドナイト・エクスプレス』(1978年)などを監督」とよく見る。観てる人は少ないかもしれないが、テーマ曲はどこかで聴いてるんじゃないかな?
この映画の舞台はトルコ。
主人公ビリー・ヘイズはトルコからアメリカへ麻薬を密輸出しようとするが飛行機の離陸直前に捕まってしまう。
当時の国際情勢(トルコは麻薬産出国として国際社会的に非難されていて、その汚名をはらそうとしていた)から、通常は禁固4,5年の刑のはずがなんと禁固30年の刑を処されてしまうのだ。
自業自得とはいえ、過酷すぎる牢獄生活。ありえないほどの看守の暴力。
耐えられなくなったビリーは脱獄(その隠語が『ミッドナイト・エクスプレス』)を決意する。
全編ヒリヒリとした緊張感に覆われているから、疲れた精神状態でこの映画を観ることはお勧めしない。
トルコという国は相当な「親日国」らしいのだが、この映画を最初に観たときには「トルコには絶対行きたくないな」と思った。
繰り返しますが自業自得なんですけどね。
主演のブラッド・デイヴィスはAIDSのため41歳で世を去るが、ジェームス・ディーンやブラッド・ピットを思わせる風貌と雰囲気を持ち、この映画の中で見事な輝きを見せている。
Giorgio Moroder - Theme From Midnight Express (1978)-the Soundtrack--موسيقي جميلة-
アラン・パーカー監督は多作な監督ではないが(映画界での32年間の活動期間に主に知られているのは14作しかない)、どれも緊張感のある魅力的なものばかりだ。
またひとり、ある意味「孤高」の映画監督が消えた。
少し疲れが取れたら随分前に買っていたDVD「ミッドナイト・エクスプレス」を見直そう。
さよなら、アラン・パーカー。